会社設立の定款作成で必ず押さえておく事項11とその考え方

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あなたは今、「会社の定款」と聞いて様々な疑問にぶつかっていることと思います。

「定款」とは、会社設立時には必ず作成しなくてはいけないもので、会社の事業目的や構成員など様々な項目について記載されている文書のことです。

ネットには定款のひな形も多数ありますから、適当に穴埋めするだけでも定款の作成は簡単にできます。

しかし、会社設立後の運営をスムーズに進めるためには“本当にあなたにとって適切な事項が記載されている定款”の作成は不可欠です。

なぜなら、例えばあなたが設立後に許認可を受けたい場合、事業目的に必要事項が記載されていなかった時は、許認可を受けるために定款の目的変更に登録免許税3万円が必要になります。

“本当にあなたにとって適切な事項が記載されている定款”を作るには、株式や会社法に関する知識をある程度身につけておく必要がありますが、すべてを調べるには相当な時間を要します。

ですから、ここでは会社設立に欠かせない「定款」の作成について決めておくべき事項と、その決め方を記載しておきますので、お役立てください。

もくじ

1. 会社設立の定款作成で決める事項11
 1-1. 商号(会社名)を考える時の注意点
 1-2. 事業目的を考える際の注意点
 1-3. 本店所在地
 1-4. 公告の方法
 1-5. 資本金の額を考える際の注意点
 1-6. 事業年度(決算月)を考える際の注意点
 1-7. 発起人の人数
 1-8. 取締役の人数と任期
 1-9. 発行可能株式総数
 1-10. 株式の譲渡制限
 1-11. 取締役会設置の有無
2. 会社設立の手続き前に準備すること5
2-1. 発起人と取締役の印鑑証明
2-2. 会社印
2-3. 資本金の用意
2-4. 設立費用
3. 穴うめでできる株式会社の定款作成
3-1. 穴埋めでできる株式会社の定款(紙)
3-2. 穴埋めでできる株式会社の定款(電子)

 

1. 会社設立の定款作成で決める事項11

 

1-1. 商号(会社名)を考える時の注意点

商号(会社名)を付けるときにはいくつかの注意点があります。

会社名を調べるチェックリスト

※1…同一の所在地に、同一の会社名は使用することができない

調べ方は2種類あり、法務局へ行って「商号調査簿」を確認する方法と、インターネットで「登記情報サービス」確認する方法があります。

調べるときは、同じビル内のバーチャルオフィスなどには注意が必要です。

※2…すでに「商標登録」されている商品名と同じ会社名は避ける

すでに商標登録している商品と同じ会社名をつけてしまうと、商標権の侵害になり、訴えられる可能性もあります。(会社名→商号  商品・サービス→商標)
商標登録は「特許電子図書館」で調べることができます。

「特許電子図書館のサイト」

※3…有名企業と同じ会社名は使用できない

「ソニー」「トヨタ」「三菱」などの有名な企業の商号をそのまま使用することは、「不正競争防止法」にあたるため使用できません。

また、大企業でなくても「不正競争防止法」は適用されるので、管轄法務局内にある似ている会社名も避けるのが良いでしょう。

調べ方は、インターネットや電話帳で同じ名前の会社がないか検索してみましょう。

※4…株式会社の会社名には、「株式会社」という文字を入れる

株式会社なら名前の前か後ろに「株式会社」、合同会社なら「合同会社」と入れる必要がります。

※5…ひとつの部門を表すような商号は使用できない

「○○事業部」のように、一つの会社の一営業部門を表すような商号は使用できません。

※6…誤解を招くような商号は使用できない

保険会社でもないのに「○○保険」のような誤解を招く商号も使用できません。

※7…記号やアルファベットは使用できる

記号は「&」「‘」「,」「-」「.」「・」を使うことができます。

 

1-2. 事業目的を考える際の注意点

事業目的とは、「あなたの会社は何をしている会社なのか」ということを記載しています。

事業目的には、実際に行う予定のある事業を記載する必要があります。事業目的の記載の仕方は、ある程度決まりがありますご注意ください。

事業目的の注意

【注意点】

※1…許認可を受ける予定がある場合は必要な事業目的を入れる

事前に許認可の監督官庁に、必要な事業目的の記載方法を確認しておきましょう。必要な事業目的を入れておかないと、許認可が下りない可能性もあります。

※2…行う予定のない事業目的を多く記載しない

金融機関や取引先に「何の会社かわからない」と疑問を待たせる可能性があります。

※3…これを事業目的に記載すると融資が難しくなる

金融業・風俗営業業種・遊興娯楽事業を事業目的に入れると、金融機関からの融資を受けるのが難しくなります。

※4…営利性のあるものでなければ記載できない

⇒慈善団体への寄付やボランティア活動等の営利性がない目的を記載することはできません。

ちなみに、事業目的を後で追加する場合には、登録免許税が3万円ほどかかります。

 

1-3. 本店所在地

本店所在地とは、簡単に言うと本社の住所のことをいいます。

一般的には自宅兼事務所や、賃貸店舗を借りることが多いようですが、最近ではバーチャルオフィスを本店所在地に選ぶ方も多いです。

バーチャルオフィスは設立上は何の問題もありませんが、いざ法人口座を作成しようと思った時に、金融機関から拒否されることが多発しています。

なぜかというと、振込詐欺などの犯罪に使われる法人口座がバーチャルオフィスを本店登記した会社が多いという理由があります。

バーチャルオフィスの住所は各銀行は全データを把握しており、登記上に記載されている本店住所を審査時に検索しているそうです。
本店所在地を決めるときには注意してください。

 

1-4公告の方法

「公告とは」会社から株主など利害関係者に対する「お知らせ」のことです。

公告方法は、「官報(国が発行する新聞のようなもの)」によって行うか「電子公告(公告文書をPDFファイルにして自社のホームページ等に掲載)」によって行うのが一般的です。

電子公告の場合、公告の信頼性を保つため、公告する会社は第三者である電子公告調査機関に依頼して、その公告が所定の期間に「改ざん(ファイルの差し替え)」や「リンク切れ」等の問題なく掲載されていた、ということを証明してもらうことが法律により求められています。

一般的には「官報へ掲載する方法により行う。」と記載しているものが多いです。

 

1-5. 資本金の額を考える際の注意点

資本金の額の注意点資本金とは、簡単にいうと会社をスタートさせるための準備金です。会社設立後はこのお金が運転資金となったり、設備資金となったります。

資本金は1円からでも設立は可能です。ただ、資本金の額は少なすぎても多すぎてもよくありません。

資本金の額は“300~1000万円”くらいがベストではないかと思います。

その理由を下記にあげておきます。

※1…資本金の額があまりに少額だと、銀行口座開設の審査に通らないことがある

資本金の最低額は銀行によって基準が違います。
会社設立時の資本金は、最低でも会社運営に必要な人件費や設備を全てそろえた上で、半年間は運営できる運転資金があるという額を集めておくことをおすすめします。

※2…創業融資は資本金の額ではなく、「自己資金」の2倍までが現実的

創業融資は、自己資金の2倍までしか借りることができません。
ここでいう「自己資金」は、イコール資本金とは限りません。

なぜなら、資本金は全額が自己資金(自分で貯めたお金)であるとは限らないためです。
たとえば、資本金500万円のうち、自己資金が200万円であった場合は、創業融資は400万円までになってしまいます。

つまり、自己資金が少なければ借り入れできる幅が狭くなってしまいます。
さらに、自己資金の「原資(このお金をどうやって貯めたのか)」も非常に重要です。

例えば、自分でコツコツ貯めたお金なのか、友達から一瞬だけ借りてきてすぐに返さなければいけないお金なのか、そういったところまで見られます。

もちろん、この場合は、自分でコツコツためたお金であることが重要です。
それを証明できる通帳もそろえておくと良いでしょう。

※3…資本金が1,000万円を超えると初年度から消費税が課税される

資本金の額が1000万円を超えてしまうと、初年度から消費税が課税されてしまいます。(999万9999円まで)
1000万円を超えてしまうと、会社設立のメリットのひとつである、設立2期までは消費税が免除される特典が受けられません。

※初年度の事業開始から6か月間に課税売上高と給与支払額の両方が1000万円を超えないことが要件です。

※4…許認可を受けたい場合、資本金がいくら以上必要という要件があるものも

許認可を受けたい場合、資本金がいくら以上必要、という要件があるものもあります。
下記に一部の例を挙げましたので参照してください。

資本金と許認可

 

1-6. 事業年度(決算月)を考える際の注意点

事業年度とは、会社の成績表である“決算書”を作成するために区切った期間をいいます。
事業年度は、1年以下で決めなければいけません。

ですので、半年を1事業年度としてもよいのですが、決算作業や申告はかなり大変な作業なので、通常は1年間を事業年度としているところが大半です。

決算日は自由に設定できます。
事業年度を1年間としても、初年度は会社設立から12か月後を決算日にする必要はありません。

例えば、会社設立が4月1日だったとして、決算日を10月31日にした場合の1期の事業年度は4月1日から10月31日になり、2期目以降は11月1日から10月31日が事業年度となります。

決算月の決め方には以下の考え方があります。

決算月の考え方

※1…消費税の免税期間が最長となるように設定する

資本金1000万円未満で会社を設立すると、設立第1期目と2期目について、消費税の納税義務が免除されます。

例えば、5月設立なら4月を決算月にすると、最長2年の免税期間を有効に使えます。
※初年度の事業開始から6か月間に課税売上高と給与支払額の両方が1000万円を超えないことが要件

※2…売上が極端に多い月を事業年度の初めにする

なぜ売上の多い月を事業年度の初めにするかというと、年度末に思った以上に利益が出てしまうと節税対策に十分な時間を確保できなかったり、逆に年度末に思った以上に利益が出ないと思わぬ赤字を招くことがあるからです。

※3…繁忙期を避ける

決算月から申告月(2カ月間)にかけては、決算業務が必要となるため忙しくなります。

※4…キャッシュが不足する月を避ける

決算日から2か月後に法人税や法人住民税、事業税、消費税の納付期限となります。
当然、この時には納税資金が現金で必要となりますので、キャッシュが少なくなる時期を避ける考えもあります。

 

 1-7. 発起人(ほっきにん)の人数

発起人とは、株式会社を設立する上でどのような会社にするかを考え・決定し、会社設立の手続きを行う人のことをいいます。

発起人は、設立する会社の株式を必ず1株以上引き受けるというルールがありますので、必然的に会社の株主となります。
発起人がお金を出し合って資本金にあてるようなケースを発起設立といいます。

株式会社の場合、株式会社設立時に発行する株式の全部を、出資比率に応じて、各発起人が持つことになります。
発起人になるための年齢制限はないため、未成年でも親権者の承諾をもって発起人となることは可能です。

ただ、定款認証には印鑑証明書の提出が必要になるため、印鑑証明書が取得できない15歳未満の未成年では注意が必要です。

発起人の仕事には、会社設立時の「取締役」の選任があります。
この選任で「自身」を「取締役」に選任すれば、会社成立後は「株主」兼「取締役」となります。

ただ、発起人は「取締役」の選任権をもっていますが、「取締役」になる必要はありません。

 

1-8. 取締役の人数と任期

取締役とは、会社の経営を株主から委任された人で、会社の登記簿にも取締役として登記されることになります。

取締役は一人でも株式会社の設立はできます。
取締役が一人の場合は、取締役会の設置は任意です。
ただ、取締役会を設置した場合は、取締役が3名必要となります。

中小企業の場合は、取締役会を設置しないところが多く、取締役も一人からスタートの場合が多いです。

ご参考までに、「取締役」「執行役員」「監査役」の違いを記載しておきます。

・取締役(任期2年)…会社の重要事項や方針を決定する権限を持つ。株式の譲渡制限がある場合の任期は最長10年。

・執行役員…決定した重要事項を実践する役割を担う。重要事項や方針を決定する権限は持たない。執行役員は、商法上の明確な位置づけはない。

・監査役(任期4年)…取締役の業務を監査する役割。取締役との兼任はできない。株式の譲渡制限がある場合の任期は最長10年。

1-9. 発行可能株式総数

「発行可能株式総数」というのは、株式会社が発行可能な株式総数のことです。

1-10に記載のある「株式の譲渡制限」を設ける場合には、発行可能株式総数に決まりはありません。
中小企業の場合は、株式の譲渡制限を設ける場合が多いです(1-10で記載)。

1株当たりの株式の価格にも上限はありませんが、一般的には1万円か5万円に設定する会社が多いようです。

「株式の譲渡制限」を設けない場合には、設立時に発行する株式数は、発行可能株式総数の4分の1を下回ることができないという決まりがあります。
例えば設立時の株式数が300株だとすると、発行可能株式総数は1200株以下でなくてはいけません。

【発行可能株式総数の求め方】

1 [設立時の株式数=資本金÷1株当たりの株式の価格]
2 [発行可能株式総数=設立時の株式数×4]

まずは、設立時の株式数を求めます。
例えば1株当たりの株式の価格が1万円、資本金が300万円であれば、設立時に発行する株式は300株ということになります。

設立時の発行株式数が300株であれば、発行可能株式総数の上限は4倍の1200株になります。

今後事業を拡大し、多くの株式を発行する意思がある場合は、発行可能株式総数を多 めに設定しておく方が、新たに株式を発行する必要が出てきた場合、後の株主総会での手間を省けます。

 

1-10. 株式の譲渡制限

株式というのは、原則として自由に転売することができます。

会社にとって好ましくない人が株主になることを防止するために、株式の譲渡を自由にできない規定を置くというのが、株式の譲渡制限です。
中小企業にはメリットが多いため、譲渡制限を設ける会社のほうが多いです。

取締役1名で、任期を10年にしたい場合も、株式の譲渡制限を定めなければいけません。

[株式の譲渡制限を設けることのメリット]

(1)取締役会の設置義務がない(任意)

(2)取締役・会計参与・監査役の任期が10年まで延長可能。延長しなければ、任期を終えるごとに役員変更登記(登録免許税1万円)が必要。

(3)相続での株の分散を防止できる(会社にとって不都合な人に株式がわたらない)

株式の譲渡制限を設ける場合、定款には「当会社の株式を譲渡により取得するには、○○の承認を受けなければならない。と記載する必要がありますが、この○○には「代表取締役」「株主総会」などが入ります。

代表取締役が必ずしも株主とは限らないため、基本は「株主総会」を入れておきましょう。

 

1-11. 取締役会設置の有無

取締役会とは、3名以上の取締役からなる会社の意思決定機関です。

取締役会を設置する場合は、取締役が3名、監査役が1名必要です。

中小企業の場合は、取締役会を設置しないところが多いです。

 

2. 会社設立の手続き前に準備すること5

2-1. 発起人と取締役全員の印鑑証明

発起人と取締役の記名や押印、そして各個人の「印鑑証明」が必要になります。

印鑑証明とは、ハンコを市区町村役場に届け出ることで、そのハンコが本当にあなたのものだと公に証明する事をいいます。
この「印鑑登録」したハンコが“実印”となります。

印鑑登録をしなければ実印用ハンコを作っても“実印”にはなりません。
印鑑登録がまだの場合は、早めに登録しておきましょう。

なお、提出用の印鑑証明は3カ月以内に発行されたものでないといけません。

2-2. 会社印

会社設立の登記の時に、法務局に代表者印(法人実印)の届出があるため、最低1つは印鑑が必要です。

一般的には実印(代表印)のほか、銀行印と、請求書などに押印する社印(角印)を用意する会社が多いのです。

会社実印例

ネットで検索すれば、3本セットを数千円で売っているところも多数あります。
会社名が決まっているのであれば、用意しておくといいでしょう。

2-3. 資本金の用意

資本金とは、簡単にいうと会社をスタートさせるための準備金です。

会社設立後はこのお金が運転資金となったり、設備資金となったります。

資本金は1円からでも設立は可能ですが、金融機関で口座を開設したり、融資を受ける場合に資本金の額は非常に重要な要素となりますので、あまりに低額な資本金でのスタートはオススメしません。

また、資本金の「原資」がどこにあるのかも非常に重要です。
友達から一瞬だけ借りてきてすぐに返さなければいけないお金を、とりあえず資本金にするのはのちのち金融機関にわかると取引してもらえない可能性があります。

法務局への提出書類として「資本金の払込証明書」が必要になるため、資本金の振込作業ができるように準備しておきましょう。

2-4. 設立費用

株式会社だと約20万円ほど、合同会社では約6万円ほど設立費用が必要となります。

会社設立料金

上記の金額にプラスして、自分で設立した場合に紙の定款だと4万円の印紙代がかかり、電子認証定款の場合は、それを作成するための機材やソフトの購入代が1万円ほどかかってしまいます。

専門家へ依頼した場合は、専門家への手数料がかかります。(専門家によって手数料金額は違います)
上記費用は、設立時の手続きですぐに必要となる費用ですので、現金で用意しておく必要があります。

 

3. 穴うめでできる株式会社の定款作成(紙)と(電子定款)

以下から定款(紙)をダウンロードしてください。

穴埋めでできる株式会社の定款作成(紙)のダウンロード(Word) ※株式の譲渡制限あり。

穴埋めでできる株式会社の定款作成(電子定款)のダウンロード(Word)

定款表紙

定款(表紙)

 定款2ページ目

定款2ページ目

定款3ページ目

定款3P目

定款4ページ目

定款4Pめ

定款5ページ目

定款5ページ目

定款6ページ目

定款6P目

作成した定款の製本の仕方

定款表紙

 

定款綴り

 

 

電子定款(表紙)

定款穴埋め(電子)1P

電子定款2P

定款穴埋め(電子)2P

電子定款3P

定款穴埋め(電子)3P

電子定款4P

定款穴埋め(電子)4P

電子定款5P

定款穴埋め(電子)5P

 

 

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