会社設立を考える時に押さえたいメリットデメリット全項目

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新たに事業を始められる場合にも、すでに個人事業主として事業をスタートしている場合にも、会社を設立するかどうかを自分で判断するのは非常に難しいと思います。

そもそも、会社設立とは、“法人格”を有することをいいます。

法人には、株式会社、合同会社、合資会社、NPO法人、社団法人、宗教法人、医療法人、税理士法人・・・などなど様々なものがあります。

それぞれにメリット・デメリットがありますが、会社を設立するかどうか、どの法人を選ぶかは、業種や事業規模、資金繰り、将来性など様々な面を考慮した上で選択する必要があります。

最適な会社設立になるよう、メリットデメリットを下記に記述しましたので、後悔のない会社設立になるようにしてくださいね。

もくじ

1. 会社設立のメリットを受けられる基準は大きく2つ
2. 税金面の優位点は5つ
2-1. 税引後の所得が400万円以上なら会社設立を検討
2-2. 二つの要件をクリアすると消費税が2期免除になる
2-3. 赤字が9年繰り越せる(個人は3年)
2-4. 生命保険を経費にできる
2-5. 家族や親族に給与を支払える
3. 決算日を自由に設定できることのメリット4つ
3-1. 消費税の免税期間が最長となるように設定する
3-2. 売上が極端に多い月を期首にする
3-3. 繁忙期を避ける
3-4.キャッシュが不足する月を避ける
4. 融資・資金調達は会社を設立しても有利になるとは限らない
5. 経営面でのリスクが少なくなる
6. 事業承継が容易、相続税がかからない
7. 会社設立のデメリット5つ
7-1. 設立費用が必要
7-2. 最低でも7万円の法人住民税が発生
7-3. 経理事務負担が増大
7-4. 社会保険への加入義務
8. 自分で設立VS代行専門家に依頼した時のメリット・デメリット
8-1. 会社設立の費用は専門家に依頼してもそれほど変わらない
8-2. 莫大な勉強時間のうえ、間違えるリスクもある
8-3. 会社設立の代行は「税理士」「司法書士」「行政書士」「ネット激安業者」
9. 株式会社VS合同会社のメリット・デメリット
9-1. 信用度は断然株式会社のほうが上
9-2. 設立費用は合同会社のほうが安い
9-3. “代表取締役”と入れられるのは株式会社だけ
9-4. 将来的に規模を大きくしたいなら株式会社
9-5. 節税メリットはどちらも同じに受けられる
9-6. 合同会社は上場できない
9-7. 合同会社と個人事業の違い
(参考)合同会社から株式会社へ変更したい場合

 

1. 会社設立のメリットを受けられる基準は大きく2つ

会社を設立したほうが良いかどうかは、大きく2つのボーダーラインが存在します。

(1) 年間の課税所得(税引後の所得)が400万円以上
(2) 売上が1000万円以上

もし上記2点に該当するようであれば、会社設立することを検討しましょう。
所得が増えてくれば税理士と一度面談して税額を計算してもらうのがいいでしょう。

 

2. 税金面の優位点は5点

2-1. 税引後の所得が400万円以上なら会社設立を検討

個人事業の所得税は、所得が増えれば増えるほど税率が高くなっていきます。
法人税の税率は一定なので、個人の所得が大きくなればなるほど、会社設立による節税効果は高くなります。

そのボーダーラインは、年間の課税所得(税引後の所得)がおおよそ400万円以上といわれています。
ただ、このボーダーラインも業種などにもよりますので、一度税理士に相談してみるのが良いでしょう。

2-2.二つの要件を満たすと消費税が2期免除になる

消費税が設立から2期免除になるためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

1. 設立時の資本金が1000万円未満であること(999万9999円まで)
2. 設立1期目開始6か月間の課税売上高、もしくは給与支給額のどちらかが1,000万円以下であること

設立時に資本金を1000万円未満にして1期目は消費税が免除だったとしても、設立から6ケ月以内に課税売上と給与支給額の両方が1000万円を超えた場合には、2期目は消費税を納税しなくてはいけません。

次に、決算日は自由に決められるため、必ずしも設立から12か月後に決算を設定する必要はありません。
しかし、消費税2期免除の恩恵をもっとも受けたい場合、最初の事業年度は決算月を設立から12カ月後に設定したほうが(業種にもよりますが)良いことになります。

個人事業から会社設立を考えている場合、個人でも年間売上が1000万円を超えると翌々期から消費税を納税しなくてはなりません。
例えば、2013年に年間売上が1000万円を超えた場合は、2015年はたとえ売上が1000万未満であっても消費税を納税しなくてはいけません。

ですので、この「消費税が2期免除になる特権」を活かして、年間売上が1,000万円を超えそうな場合には、会社を設立したほうが得になります。

消費税免除期間

 

2-3. 赤字が9年繰り越せる

欠損金とは、税法上の用語で“税務上の赤字”を指します。
青色申告をすると、欠損金(赤字)が発生した場合に、その額を翌期以降に繰り越して、後の黒字と相殺させる事が可能です。

繰越には期限があり、個人の場合は3年、法人の場合は9年となっています。

赤字と黒字を相殺

2-4. 生命保険が経費にできる

損金とは、簡単にいうと“経費”のことを指し、つまり法人税を計算するときにかかる税金を減らせるもののことを「損金」といいます。
保険の契約内容にもよりますが、保険契約者が法人の場合、役員又は従業員を被保険者とする生命保険料は、全額または半額を損金に算入することが出来ます。

利益が出過ぎた場合にも、節税対策として利用することが出来ます。
個人の場合は、最大で10万円のみ所得控除が可能です。

2-5. 家族・親族に給与を支払える

個人事業は、家族や親族に対して給料を支払った場合、あらかじめ「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出し、さらに「同一生計の親族(15才以上)」で、「事業期間の半分以上事業に従事している」、労務の対価として相当な額のみが経費として認められます。

また社長は、配偶者控除や扶養控除を受けられなくなります。

法人の場合はこういった制限は無く、例え非常勤であったとしても、会社の経費として報酬を支払うことが可能です。
夫婦や家族の家計トータルで節税を考えるケースにおいては、重要なメリットといえます。
ただし、勤務実態があることが前提なのでご注意ください。

 

3. 決算日を自由に設定できる

個人事業の場合、事業年度は暦年(1月1日~12月31日)と決まっています。
一方、法人の決算月は自由に決められます。

決算月の決め方には以下の考え方があります。

3-1. 消費税の免税期間が最長となるように設定する

5月設立なら4月決算月にすると、最長2年の免税期間を有効に使えます

消費税免除期間

3-2. 売上が極端に多い月を期首にする

なぜ売上の多い月を期首にするかというと、期末に思った以上に利益が出てしまうと節税対策が十分な時間が使えなかったり、逆に期末に思った以上に利益が出ないと思わぬ赤字を招くことがあるからです。

3-3. 繁忙期を避ける

決算月から申告月にかけては、決算業務が必要となるため忙しくなります。

3-4. キャッシュが不足する月を避ける

決算日から2か月後に法人税や法人住民税、事業税、消費税の納付期限となります。
当然、この時には納税資金が必要となりますので、キャッシュが少なくなる時期を避ける考えもあります。

 

4. 融資・資金調達は会社を設立しても有利になるとは限らない

金融機関からの融資・資金調達の成功の可能性は、「法人」か「個人」かはあまり関係ありません。

最も大切なのは、代表者となるその人個人のこれまでの経歴、業界経験、事業計画書の内容、そして自己資金の額(いかにコツコツ貯めてきたか)によります。

従業員を採用する場合や店舗・事務所を借りる際などは、法人であることが有利になる場面は様々に考えられます。

 

5. 経営面でのリスクが少なくなる

株式会社・合同会社は「有限責任」ですが、個人は「無限責任」です。
無限責任の場合、例えば会社が倒産した時には、個人の財産を持ちだしてでも弁済しなくてはいけません。

しかし、有限責任の場合は、会社が倒産した時には、出資額を限度額として責任を負うことになります。

とはいえ、中小企業の社長の場合は、表面上は有限責任でも、金融機関からの借入れの際には社長個人の保証を求められる場合がよくあり、事実上は無限責任であるともいえます。

 

6. 事業承継が容易、相続税がかからない

法人の場合は、社長が亡くなっても会社の財産には相続税はかかりません。(但し、経営者が所有していた株式には、相続税がかかります)
個人の場合は全ての財産が相続税の対象になります。

 

7. 会社を設立することのデメリット5つ

7-1. 設立費用が必要

会社設立そのものに要する費用は合同会社が6~10万円、株式会社では20~24万円ほどかかります。
それ以外にも会社印の作成費用、設立後でも役員変更登記などの費用がかかります。

会社設立料金

7-2. 最低でも7万円の法人住民税が発生

会社を設立すると、赤字であっても支払わなければならない税金があります。
それが法人住民税の均等割です。
毎年赤字であっても最低7万円はかかります。
・法人都道府県民税均等割 2万円
・法人市町村民税均等割 5万円

7-3. 経理事務負担が増大

法人の経理事務は、個人と違って「会社法」にそって処理をしなければなりません。

最も大きな負担は「税務申告」です。

個人の場合は、確定申告にて所得税の納税になりますが、会計ソフトをきちんと入力さえしていれば確定申告の提出書類はほぼ自動で作成できるものもあります。

しかし、法人の場合は、法人税・消費税・地方税の申告書をそれぞれ作成しますが、基本的には税理士にお願いすることが多く、その場合の費用は最低でも10万円ほどはします。
ただ、正確に経営成績を把握していくことが可能ですので、その意味ではメリットも存在すると言えます。

7-4. 社会保険への加入義務

法人は、例え取締役1人だけの会社であっても、社会保険・労働保険ともに加入義務があり、コストも発生します。

個人の場合、社会保険(厚生年金保険・健康保険)については任意適用事業所とされる場合があり、労働保険については、個人事業主と家族従業員は加入できないのが基本的な取り扱いです。

しかし逆に、個人事業主は厚生年金へ加入出来ませんし、従業員を雇う場合、社会保険は1つのポイントになるでしょうから、そういった面では逆にメリットとも考えられます。

 

8. 自分で設立VS専門家に依頼した時のメリット・デメリット

8-1. 会社設立の費用は専門家に依頼してもそれほど変わらない

設立費用比較

上記をみてもわかる通り、専門家に依頼しても設立の費用はそれほど変わらないことがわかります。

なぜかというと、自分で設立した場合、紙の定款だと4万円の印紙代がかかります。

自分で電子定款を作成した場合が一番安いですが、それに伴う手間はそれなりに面倒です。

専門家へ依頼した場合は、専門家によって手数料金額は違うものの、数万円の手数料でスピーディな設立が可能となります。

8-2. 莫大な勉強時間のうえ、間違えるリスクもある

自分で会社を設立しようと思った場合、わからないことを自分で調べたり、自分で公証役場や法務局に行ったりと、その作業時間や勉強時間は60~80時間程度と予想されます。

また、どんなに調べてもやはり素人ですから間違えるリスクは大いにあります。

これから何社も会社を作ろうと考えているならともかく、1社作るためにそれだけの時間をかけ、リスクを負っても得られるものはものすごく少ないと断言します。

しかも、費用は代行業者に頼んでもそれほど変わらないことは、上記に記述した通りです。

8-3. 会社設立の代行は「税理士」「司法書士」「行政書士」「ネット激安業者」

会社設立の代行業者には大きく分けて「税理士」「司法書士」「行政書士」「ネット激安業者」の4通りがあります。
それぞれのメリット・デメリットをみていきましょう。

士業比較

[税理士]

税理士のメリットは、なんと言っても設立時に税金面や経営の相談が出来ることです。

上記に記述した通り、そもそも会社を設立した方がいいか個人のままがいいか、売上や所得のボーダーラインを見極めるには税理士による判断は欠かせません。

会社は設立して終わりではありません。
設立後は必ず決算がやってきて、税務署に決算申告をしなくてはいけません。

また、金融機関からの融資を検討する場合にも、会社の成績表である損益計算書や貸借対照表の提出が求められます。

設立時に税理士がいない場合には、一度、税理士による無料相談にて助言を聞いてみることをオススメします。
手続きにおいては、司法書士と提携していることが大半ですので、自分でやることは最小限で済みます。
費用面においても、設立後の税務顧問契約があれば手数料がゼロの場合が多いです。

デメリットは、設立初期から税務顧問料が発生することです。

すでに知り合いの税理士がいる場合には、設立のみを専門としている手数料の安い代行業者にお願いすることをオススメします。

[司法書士]

会社設立登記のスペシャリストは司法書士です。

基本的に窓口が税理士であれ、ネット業者であれ、司法書士と提携している場合が大半です。
公証役場や法務局へも行ってくれる場合が多いので、自分でやることは最小限で済みます。
会社設立のみを効率的に最短で行いたい場合は、司法書士にお願いするのが確実でしょう。

デメリットとしては、他業者よりも手数料が高額なことが多いです。(5万円~)
また、税務的なアドバイスを受けることもできません。

[行政書士]

行政書士にお願いした場合のメリットは、司法書士よりも手数料が安いことがあげられます。

ただし、行政書士は定款を作成することはできますが、法務局に提出する書類を作成することはできません。
場合によっては法務局に提出する書類には別途手数料がかかる場合もあります。

[ネット激安業者]

ネット激安業者のメリットは、なんといっても手数料の安さです。

数千円の手数料で簡単に会社設立ができることから、最近ではかなりの数の設立を手掛けているようです。
また、税理士との顧問契約のしがらみもないこともメリットです。

とにかく会社を安く作りたい場合にはオススメです。

デメリットとしては、書類の作成はできますが、公証役場や法務局にまではいってはくれないところが大半です。
とにかく時間がない、わずらわしいことをしたくない人にとってはデメリットです。

また、手続上“不備のない定款”は作成できますが “本当にあなたにとって適切な事項が記載されている定款”を作れるとは限りません。
“不備のない定款”と“本当にあなたにとって適切な事項が記載されている定款”は全くの別物なのです。

例えば、将来的に許認可を受けることを視野に入れるのであれば事業内容に適切な事項を入れることが必要ですし、創業融資を有利にすすめたいのであればそれに見合った資本金の設定などは特に重要なポイントです。

大切な会社を設立するにあたっては、一度、専門家の無料相談を利用してからでも遅くはないと思います。

 

9. 株式会社VS合同会社のメリット・デメリット

株式会社と合同会社のメリット・デメリットを比べた場合に大きく6点があげられます。

9-1. 信用度は断然株式会社のほうが上

合同株式信用度

信用度は断然株式会社のほうが上になり、この場合の信用度とは主に取引先からの信用度です。

合同会社という制度はまだまだ認知度が低く、取引先からの信用度にかけます。

「取引先から会社を設立するように言われた」という理由の設立の場合は、株式会社を選ばれることをオススメします。

融資・資金調達については株式会社か合同会社かの「法人形態」によるのではなく、代表者となるその人「個人」のこれまでの経歴、自己資金の額、事業計画書の内容によります。

9-2. 設立費用は合同会社のほうが安い

合同株式費用

設立費用に関しては完全に合同会社に軍配が上がります。

だいたいどこのサイトでも株式会社設立にかかる費用は20~24万円前後、合同会社は6~10万円前後ほど設立費用がかかります。

とにかく安く設立したい!とにかく法人格が欲しい!という場合は合同会社がお得です。

9-3. “代表取締役”と入れられるのは株式会社だけ

合同株式名刺表記
名刺を作成する場合に「代表取締役」と入れられるのは株式会社だけです。
合同会社の名刺の肩書きは、『代表社員』『業務執行社員』となります。

9-4. 将来的に規模を大きくしたいなら株式会社

将来的に会社の規模を大きくして、株式公開や株主からの増資を検討したいと考えている方は株式会社のほうがよいでしょう。
ただし規模が小さいからこそ法人成りして信用度をアップさせたい、と考えている場合は株式会社をオススメします。

9-5. 節税メリットはどちらも同じに受けられる

合同株式節税メリット
株式会社と合同会社はどちらも同じように節税メリットを受けられます。
・消費税が2期免除(要件あり)
・赤字が9年繰り越せる(個人は3年)
・生命保険を経費にできる
・家族や親族に給与を支払える
・決算日を自由に設定できる
・事業承継が容易、相続税がかからない

ただし、デメリットも同じようにあります。
・設立費用が必要
・最低でも7万円の法人住民税が発生
・経理事務負担が増大
・社会保険への加入義務

9-6. 合同会社は上場できない

合同株式上場

上場が出来るのは株式会社だけです。

いずれは上場を目指すという目標がある人は、将来的に会社の規模を大きくして株式公開や株主からの増資を検討したいと考えている方は株式会社のほうがよいでしょう。

9-7. 合同会社と個人事業の違い

合同会社は株式会社と同じ法人格となります。
合同会社と個人事業主との違いについては、会社設立のメリット・デメリットと同じになります。
詳しくは、上記1~7をご参照ください。

(参考)合同会社で設立後に株式会社へ変更したい場合

合同会社からスタートして、のちに株式会社に変更することは可能です。
その場合は「組織変更登記」を行うことになりますが、変更登記をする場合に登録免許税が6万円、官報公告掲載料に約3万円の費用が発生します。

【結論】

会社設立における様々なメリット・デメリットをあげてみました。

それぞれにメリット・デメリットがありますが、ひとつ言えることは、業種や事業規模、資金繰り、将来性など様々な面を考慮した上で選択する必要があるということです。

私のオススメは、ぜひ専門家の無料相談を利用して欲しいということです。
無料相談ですから、有益な情報だけ引き出して、あとは自分で手続きするのもひとつの手でしょう。

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