【減価償却費】素人でも完全マスター5つのポイント

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減価償却

あなたは今、減価償却費(げんかしょうきゃくひ)という少し難しそうな言葉を前にお悩みのことと思います。

減価償却費とは、金額の高い電化製品や機械設備・内装設備などの購入代金を、購入した年にいっぺんに経費として計上するのではなく、分割して1年ずつ計上することをいいます。

しかし、具体的にどんなものを減価償却費としたらいいのか、どのように処理したらいいのかなど、わからないことも多いでしょう。

ここでは、減価償却費についてわかりやすくお話しします。

ぜひ参考にしてください。

 

もくじ

0.減価償却費のポイント5つ
1.減価償却費とは機械設備などの購入代金を分割して1年ずつ費用に計上すること
2.通常の減価償却費の計上のしかたは「資産」→「費用」に振り替え→最後は「1円」
3.減価償却費の金額のポイントは、10万円、20万円、30万円の3つ
3-1.10万円未満は減価償却しない
3-2.10万円以上〜20万円未満は3つから選択
3-3.30万円未満は少額減価償却資産の特例を適用できる(条件あり)
4.減価償却しないものがある
5.耐用年数(たいようねんすう)を調べる
5-1.耐用年数を間違えた場合の処理
6.計算式に用いられるのは「定額法」と「定率法」と「生産高比例法」の3つ
6-1.定額法は毎年費用が同額となる方法
6-2.定率法は償却費が初年ほど多く、年とともに減少する方法
6-3.定額法か定率法どちらを選択すべきかは経営状態による

 

 

0.減価償却費のポイント5つ

減価償却費のポイントは以下の点です。

 

・減価償却費とは機械設備などの購入代金を分割して1年ずつ費用に計上すること

・通常の減価償却費の計上のしかたは「資産」→「費用」に振り替え→最後は「1円」

・減価償却費の金額のポイントは、10万円、20万円、30万円の3つ

・減価償却しないものがある

・「耐用年数(たいようねんすう)」を調べる

・計算式に用いられるのは「定額法」と「定率法」と「生産高比例法」の3つ

 

上記のポイントをみただけではよくわからないと思います。

順に説明していきます。

 

 

1.減価償却費とは機械設備などの購入代金を分割して1年ずつ費用に計上すること

減価償却費とは、機械設備や内装設備など購入金額の高いものを、購入した年にいっぺんに費用として計上するのではなく、分割して1年ずつ計上することをいいます。

例えば、飲食店の機械設備が総額で100万円かかったとします。

この場合、100万円を初年度に一括で全額費用として計上するのではなく、例えば5年など国の決めた寿命に従って費用として計上します。

減価償却

なぜ減価償却をするのかというと、機械設備や内装設備などは、購入金額が高額であり、使用期間が長期間に及ぶからです。

購入した時点で購入金額を全額費用とすると、その年度だけ費用が大きくなり、大きな赤字となってしまいます。

これではその年度の正しい業績がつかめません。

そこで、設備の利用が長期に及ぶのであれば、その費用も分散して配分しよう、というのが減価償却費です。

使用期間が1年未満のもの、取得価格が10万円未満のものは、全額を取得した年の費用として計上します。

次からは、減価償却費の計上の仕方についてお話しします。

 

 

2.通常の減価償却費の計上のしかたは「資産」→「費用」に振り替え→最後は「1円」

通常の減価償却費を計上するときには以下のようになります。

 

(例)車両 100万円   耐用年数5年  の場合

 

【購入時】いったん全額を資産に計上

(借方)車両 100万円  (貸方)普通預金 100万円

 

【毎年度末】5年に分割して費用に振替

(借方)減価償却費 20万円  (貸方)車両 20万円

 

【5年後】

車両を使用している間は備忘価格として1円残す。

(1円残すために最後の年は減価償却費を199,999円にします)

貸借対照表には「車両 1円」として残る

(※ただし、一括償却の場合は1円を残さず償却します。一括償却についてはこのあと説明します)

 

【廃棄時】残りの1円を処理

(借方)減価償却費 1円  (貸方)車両1円

※売却時に1円より高く売れた場合には「固定資産売却益」として収益として計上します。逆に手数料などがかかった場合には「固定資産売却損」として計上します。

減価償却費01

 

(用語説明)

・資産…会社が所有する財産のこと。車や建物、機械設備は“固定資産”といい、ソフトウェアなどは“無形固定資産”という。

・費用…企業活動によって発生したコスト。税金を減らす効果があります

・耐用年数…資産が利用に耐える年数。寿命のようなもの。新車なら6年など。実際の利用年数とは関係なく、国が定めた年数を使用する

・備忘価格…全額を減価償却費として計上すると、モノが存在しているのに帳簿価額が無くなってしまう場合に、あえて1円の評価額を残すこと

 

上記が通常の減価償却費の計上の仕方です。

これが減価償却の基本の考え方になりますので、参考にしてください。

※中小企業であっても、大企業に負けない「いい会社」を作りたい方はこちら

 

3.減価償却費の金額のポイントは、10万円、20万円、30万円の3つ

減価償却費の計上を考えるときに必要な金額のポイントは、10万円、20万円、30万円の3つです。

金額の判定をする時に消費税を加えるか加えないかは、採用している経理方法により異なります。

「税込経理方式」の場合は税込金額で、「税抜経理方式」の場合は税抜金額で判断します。

 

3-1.10万円未満は減価償却しない

取得金額が、9万9,999円までの場合には、減価償却はしません。

この場合は、例えばパソコンの場合であれば「消耗品」などで計上します。

 

3-2.10万円以上〜20万円未満は3つから選択

取得価額が10万円以上~20万円未満のものは、以下の3つから選択することができます。

 

・通常の減価償却

・一括償却

・少額減価償却資産の特例

 

上記のどれを適用するかは、条件にさえ当てはまっていれば基本的には経営者の判断に任されます。

 

・通常の減価償却

通常の減価償却とは、取得金額をいったん資産に計上して、耐用年数で償却する通常の減価償却費の計上のしかたです。

上記2でお話ししたやりかたです。

 

・一括償却

一括償却とは、耐用年数に関係なく「3年間」で均等に減価償却するやり方です。

例えば、パソコンを18万円で購入した場合は、6万円ずつ3年で償却します。

一括償却の場合は、備忘価額1円を残さず、3年で全額償却します。

 

少額減価償却資産の特例については、このあと3-3でお話しします。

 

3-3.30万円未満は少額減価償却資産の特例を適用できる(条件あり)

取得価額が30万円未満の場合には「少額減価償却資産の特例」を適用することができます。

 

・少額減価償却資産の特例

取得価格が30万円未満の資産については、一括して費用に計上することができます。

ただし、以下の条件があります。

 

・青色申告法人である中小企業者であること

・特例の合計限度額は300万円まで

・期限は平成30年3月31日まで

 

計上するときには以下のようになります。

 

(例)備品  25万円の場合

 

【購入時】いったん全額を資産に計上

(借方)備品  25万円  (貸方)普通預金 25万円

 

【年度末】一括して費用に振替

(借方)減価償却費 25万円  (貸方)備品25万円

 

取得価額の判定は、通常1単位としてその単位ごとに判定します。

例えばカーテンは1枚ではなく、2枚1組ではじめて機能するものですから、2枚1組で判定します。

 

30万円以上の資産は減価償却しないものを除いてすべて通常通り減価償却します。

減価償却しないものについてはこのあとお話しします。

 

 

4.減価償却しないものがある

高額な購入金額のものであっても、すべてを減価償却するわけではなく、するものとしないものがあります。

 基本的に「年数の経過により価値が低下しないもの」は減価償却しません。

これらは売却されるか廃棄されるまで会社の資産として計上することになります。

 

減価償却しないもの

・土地(借地権など含む)

・電話加入権

・絵画や壺などの骨董品(20万円以上のもの、絵画で号2万円以上のもの)

・敷金や保証金で返還されるもの

・ゴルフ会員権

・有価証券

・乳牛子牛など生育中の生き物で成熟前のもの(成牛となった後は減価償却)

・その他、時の経過により価値が減少しない資産

 

 

5.耐用年数(たいようねんすう)を調べる

通常の減価償却を適用する場合には、必ず耐用年数を調べる必要があります。

 

・耐用年数…資産が利用に耐える年数。寿命のようなもの。新車なら6年など。実際の利用年数とは関係なく、国が定めた年数を使用する

 

国税庁のHPに耐用年数表があるので参考にしてください。

国税庁「耐用年数表」

 

【主な耐用年数(2016年)】

・パソコン…4年

・コピー機、複合機…5年

・テレビ…5年

・エアコン…6年

・冷蔵庫・洗濯機…6年

・カーテン…3年

・応接セット…5年

・理容、美容機器…5年

・時計…10年

・カメラ、撮影機器…5年

・飲食料品小売業用設備…9年

・飲食店業用設備…8年

・食料品製造業用設備…10年

・洗濯業、理容業、美容業又は浴場業用設備…13年

・太陽光発電設備…17年

・冷暖房設備(冷凍機の出力が22kw以下のもの)…13年

・冷暖房設備(冷凍機の出力が22kw以上のもの) …15年

・可動間仕切り(簡易なもの)…3年

・可動間仕切り(簡易でないもの)…15年

・野立て看板(金属)…20年

・野立て看板(それ以外)…15年

・自動車(一般用語)…4年

・内装工事(賃貸物件)…賃貸期間、もしくは用途や材質に応じて合理的に見積った耐用年数

・内装工事(持ち物件)…10〜15年

・ソフトウェア(複写して販売するための原本、または研究開発用のもの)…3年

・ソフトウェア(それ以外)…5年

 

もし耐用年数表などをみても不明な場合は、税理士に相談するなどしましょう。

 

5-1.耐用年数を間違えた場合の処理

もし耐用年数を間違えて処理してしまった場合には、法人と個人で以下のように処理します。

 

・法人の場合

法人が耐用年数を間違えた場合は、次年度から正しい耐用年数で計算し、過去の償却費の訂正はしません。

 

・個人の場合

個人が、新品の耐用年数を誤った場合は、過去の償却費を『更正の請求』で訂正しなければいけません。

中古の場合は、過去の訂正はできませんので、次年度から正しい耐用年数で計算します。

 

 

6.計算式に用いられるのは「定額法」と「定率法」と「生産高比例法」の3つ

減価償却費を計算するときに用いられる計算方法は「定額法」と「定率法」と「生産高比例法」の3つになります。

どの計算式を用いる時も、対象となる資産の購入価格は、本体だけでなくそれに付随する費用も含まれます。

基本的には、定額法か定率法のどちらかを用いるのが一般的ですので、その2つについてお話しします。

 

6-1.定額法は毎年費用が同額となる方法

定額法は、毎年均等に費用配分できるよう、購入価格を均等に割る方法です。

費用の額が、原則として毎年同額となるのが特徴です。

 

(計算式)

取得価額×定額法の償却率

 

ここでの注意点は「取得価格÷耐用年数」ではないことです。

なぜ耐用年数で割らないのかというと、端数が出てしまう場合があるからです。

 

(例)新車100万円  耐用年数6年

 

耐用年数で割った場合

・100万円÷6年=166,666.666…

 

定額法の償却率で計算した場合

・100万円×0.167=167,000

 

定額法の耐用年数における償却率は、国税庁の「減価償却資産の償却率表」を参照してください。

 

6-2.定率法は償却費が初年ほど多く、年とともに減少する方法

定率法は、償却費が最初の方ほど多く、年とともに減少する方法です。

ただ、定率法の償却額が「償却保証額」に満たなくなった年分以後は、毎年同額の償却費となります。

つまり、定率法を用いる場合は、2つの計算式を見比べて、償却額を計上する必要があります。

なお、定率法の耐用年数における償却率は、国税庁の「減価償却資産の償却率表」を参照してください。

 

(計算式)

ステップ1…その年の「未償却残高×定率法の償却率」で計算

ステップ2…その年の「取得価格×定率法の保証率」で計算

ステップ3…1.2を見比べて1の方が大きい場合は1を計上する

ステップ4…1.2を見比べて2の方が大きくなった場合は、ステップ5を毎年計上する

ステップ5…「改定取得価格×改定償却率」を計算

※改定取得価格とは、初めて償却保証額に満たないこととなる年の期首未償却残高をいいます。

 

(例)取得価額100万円、耐用年数10年の場合

 

・耐用年数…10年

・償却率…0.200

・改定償却率…0.250

・保証率…0.06552

 

減価償却費定率法 

 

6-3.定額法か定率法どちらを選択すべきかは経営状態による

定額法か定率法のどちらを選択すべきかは経営状態を見極めた上で判断します。

もし売上げが伸びる見込みであれば、初期に減価償却費を多く計上できる定率法を採用した方が良いかと思います。

逆に売上があまり伸びず、赤字になるようでしたら定額法を採用した方がのちのち有利になる可能性は高いかと思います。

どちらを選択すべきか迷われる場合には、税理士に相談しましょう。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

減価償却費は、実際のお金の動きと費用の計上がイコールにならないので、少々難しく感じると思います。

しかし、特に大きな設備を導入する経営者にとって減価償却費は非常に重要な要素のひとつですので、ぜひポイントを押さえて経営に活かしていきたいですね。

 

 

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