【節税対策】伸びる中小企業の節税対策5つのテクニック

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節税対策

会社の経営が軌道にのり、ようやく利益が出るようになったところで経営者の最も大きな悩みのひとつとなるのが「税金」です。

伸びる中小企業の経営者にとって「節税対策」というものは避けて通ることができない大きな問題となります。

節税対策とひとことに言っても「単に今年の決算だけ会社の税金が減ればそれでいい」というものではありません。

細かい税金の計算のことは税理士に相談するのが一番ですが、ある程度は経営者が自分で理解し、取捨選択していくことは、会社をさらに成長させるためにも必要です。

なぜなら、中小企業だからこそ、今後も継続的に利益を出し、正しい節税対策をしながら、社会的信用を得ていくことがとても重要だからです。

ここでは、伸びる中小企業の経営者が知っておきたい節税対策の考え方、そして節税方法についてお話しします

ぜひ参考にしてください。

 

もくじ

0.節税対策の考え方大きなポイント4つ
1.節税対策には「良い節税対策」と「悪い節税対策」がある
1-1.悪い節税対策とは、次の利益を生み出さないお金の使い方
2.会社の「法人税等」と社長とその家族の「所得税等」とのバランス
2-1.社長の役員報酬は税金を減らす効果がある
2-2.役員報酬にかかる「所得税」は所得が高くなればなるほど税率が高くなる
2-3.役員報酬の所得税率は、会社の法人税率を逆転する
2-4.法人税等と所得税等が逆転する具体例
3.絶対的節税の具体的対策方法
3-1.小規模企業共済で法人・個人トータルで節税
3-2.社長または家族所有の不動産を会社に貸付で節税
3-3.在庫の評価を見直すことで節税
3-4.不要な固定資産の廃棄・売却・除却で節税
3-5.機械設備や人材への投資
3-5-1.機械等の取得
3-5-2.経営改善設備の取得
3-5-3.生産性向上設備の取得
3-5-4.人材投資
3-5-5.試験研究投資
4.先のばし節税
4-1.1年以内の費用の前払いによる節税対策
4-2.必要な費用支出の前倒しによる節税対策
4-3.売上計上基準の見直しによる節税対策
4-4.生命保険の活用による節税対策
4-4-1.掛け捨て保険の加入
4-4-2.返戻金付き生命保険の加入
4-5.倒産防止共済(経営セーフティ共済)
4-6.投資による先のばし
4-6-1.30万円未満の少額減価償却資産の取得
4-6-2.機械等の取得
4-6-3.経営改善設備の取得
4-6-4.生産性向上設備の取得
4-6-5.その他の一般的な設備投資
5.経営者と税理士との密接な関係が節税対策を制す

 

0.節税対策の考え方大きなポイント4つ

中小企業の経営者が節税対策を考えるにあたって、まず押さえておくべきポイントが大きく4つあります。

 

【節税対策の考え方大きなポイント4つ】

・節税対策には「良い節税対策」と「悪い節税対策」がある

・会社の「法人税」と、社長個人とその家族の「所得税」とのバランス

・「絶対的節税」と「先のばし節税」

・経営者と税理士との密接な関係が節税対策を制す

 

節税対策とはもちろん税金を減らすことですが、その考え方を間違えると、結果的に損をすることもよくあります。

その節税対策が、のちにどういう結果をもたらすのかまで、きちんと把握した上で、経営者は節税対策を選択する必要があるでしょう。

以下から、その内容についてお話しします。

 

1.節税対策には「良い節税対策」と「悪い節税対策」がある

節税対策には、良い節税対策と悪い節税対策があります。

 

・良い節税対策…その年の法人税等(※1)を減らすことができ、かつ将来の法人税等の負担、さらに社長と家族の個人の所得税等(※2)の負担も増えない節税対策(ここでは「絶対的節税」といいます)。

もしくはその年の税金を減らすことはできるが、減らした税金の全部または一部を将来は払わなければならなくなる節税対策もある(ここでは「先のばし節税」といいます)

 

・悪い節税対策…「税金を払うのはイヤだから経費を使ってしまおう」という節税対策。

 

※1法人税等とは…会社の利益にかかる税金には、国に支払う法人税、地方法人税と、地方自治体に支払う法人事業税、地方法人特別税、法人住民税があります。これらを総称して「法人税等」といいます。

※2所得税等とは…個人の所得に対してかかる税金に、所得税、住民税があります。これらを総称して「所得税等」といいます。

 

良い節税対策の「絶対的節税」と「先のばし節税」、そして法人税等と所得税等のバランスについては、このあと詳しく説明します。

ここでは、悪い節税対策についてお話しします。

 

1-1.悪い節税対策とは、次の利益を生み出さないお金の使い方

悪い節税対策とは「税金を払うのはイヤだから経費を使ってしまおう。」という安易な節税対策です。

もちろん経費を使えば税金は減ります。

では、経費を使い、税金を支払わなかったことで会社にもたらされる結果について考えてみましょう。

例えば、利益が100万円出るとします。

100万円を経費ですべて使ってしまったら、税金は払わないで済みますが、会社に残るお金は「ゼロ」です。

新たな投資や、事業展開を考えることもできません。

もし急な支払いが発生したとしても、会社にすぐ動かせるお金がなければ支払いもできません。

金融機関に融資をお願いしようにも、直近の決算書は「利益ゼロ」です。

そんな会社に融資をしてくれる金融機関はあるでしょうか。

業績向上につながらない経費支払い、たとえば接待交際費や福利厚生費、不要な物品の購入、事業に必要性がない高額資産の購入、社長の個人的趣味による高級車購入等は「ただの無駄遣い」と同じで、それは良い節税対策とは言えません。

 

仮に100万円の利益に対して、何もしなければ約22万円の税金を払うことになります。(平成28年現在、利益が年400万円以下の場合、法人税等の合計税率は約22%のため)

でも会社には78万円のお金が残ります。

そのお金で新たな投資や事業展開をすることもできますし、万が一に備えての貯蓄をすることも可能です。

きちんと利益を出し、税金を支払っている会社に対しては、金融機関からの融資も可能です。

 

しかし、税金を払うのがイヤ、というお気持ちはよくわかります。

誰だって税金を払うくらいなら経費を使いたい、と考えるものです。

経費を使って節税してもいい場合というのは、そのお金を使うことで「税金を払う以上に会社の業績を伸ばすことができる場合」と考えましょう。

 

2.会社の「法人税等」と社長とその家族の「所得税等」とのバランス

節税対策の考え方の2つ目は、会社の「法人税等」と、社長とその家族の個人の「所得税等」とのバランスです。

なぜ会社の法人税等の節税対策なのに、社長の所得税等が出てくるのかについて、わかりやすく順を追ってお話しします。

 

2-1.社長の役員報酬は税金を減らす効果がある

社長の受け取る「役員報酬」は損金に算入することができ、税金を減らす効果があります。

つまり、役員報酬を多くすればするほど、会社の節税対策になるということです。

ただし、損金に算入するにはルールがあります。

それは「定期同額給与」にすることです。

役員報酬は、毎月同じ金額を支給することによってのみ、損金に算入することが認められています。

決算前に利益が出ることがわかり、いきなり役員報酬を多く出しても、その部分には税金を減らす効果はありません。

詳しくは「役員報酬を変更するための手順と注意点ポイント5つ」をご覧ください。

 

2-2.役員報酬にかかる「所得税」は所得が高くなればなるほど税率が高くなる

役員報酬には、従業員の給与と同じように「所得税等(所得税・住民税)」がかかります。

下記をみればおわかりになりますが、所得税は、所得が高くなればなるほど税率が高くなる「累進課税(るいしんかぜい)」です。

所得税等の計算方法は、収入の内容、家族構成、社会保険料等の支出状況によってひとりひとり違います。

たとえば、配偶者がいれば配偶者控除がある場合もありますし、生命保険に加入していれば生命保険料控除があります。

ですので、単純に「収入がいくらの人は税率何%」ということができません。

参考までに計算方法は以下のとおりです。

・手順1…収入

税金などが引かれる前の、いわゆる額面の金額が「収入」です。

・手順2…所得

サラリーマンの場合は、収入から「給与所得控除」を引いたものが「所得」です。

・手順3…課税総所得

所得から扶養控除、社会保険料控除等など様々な控除額を差し引いた金額が「課税総所得」です。

・手順4…税額の計算

課税総所得に税額をかけます。

課税総所得

【所得税の税率(平成28年)】

課税総所得金額(A) 税額
195万円以下 A×5%
195万円超330万円以下 A×10%-97,500円
330万円超695万円以下 A×20%-427,500円
695万円超900万円以下 A×23%-636,000円
900万円超1,800万円以下 A×33%-1,536,000円
1800万円超4,000万円以下 A×40%-2,796,000円
4,000万円超 A×45%-4,796,000円

 

【住民税】

住民税の税率は全国同じで、課税総所得の10%です。

 

2-3.役員報酬の所得税率は、会社の法人税率を逆転する

先ほど2-1で、会社の節税対策として役員報酬を多く支払うのは税金を減らす効果があるといいましたが、「ある一定ラインを超えて」支払い過ぎてしまうと、今度は所得税のほうが多くなってしまい、節税対策にはなりません。

法人税等を減らすために所得税が増えてしまう、という逆転現象が起こります。

(法人税等…会社の利益にかかる税金は、国に支払う法人税、地方法人税と、地方自治体に支払う法人事業税、地方法人特別税、法人住民税があります。これらを総称して「法人税等」といいます。)

参考までに、法人税等の税率を下記に載せておきます。

 

【資本金1億円以下の中小法人の法人税等(平成28年)】

(1)利益が年400万円以下の場合…約22%

(2)利益が年400万円超800万円以下の場合…約24%

(3)利益が年800万円超の部分…約35%

 

計算方法の注意点として、たとえば利益が1,000万円の場合、35%の350万円の法人税等というわけではありません。

800万円までの部分は24%、800万円を超える部分は35%になります。

ですので、たとえば利益が1,000万円の場合ですと、800万円×24%+200万円×35%=262万円、よって利益に対する法人税等の割合は26.2%となります。

 

2-4.法人税等と所得税等が逆転する具体例

先ほど2-3で、法人税等は利益が800万円以下なら税率は約22%でした。

では、所得税等が22%になる役員報酬はいくらになるでしょう。

所得税の基礎控除額(38万円)と、住民税の基礎控除額(33万円)は少し違うので、課税所得も本当は異なるのですが、ここでは計算を単純にするために、両方同じという前提で計算してみます。

 

課税所得に対する所得税等のトータルの税率

課税総所得金額 所得税 住民税 合計 課税所得に対する割合
400万円 372,500円  400,000円  772,500円  19.31%
500万円 572,500円  500,000円  1,072,500円  21.45%
600万円  772,500円  600,00円  1,372,500円  22.87%
700万円  974,000円  700,000円  1,674,000円  23.91%
1,000万円  1,764,000円  1,000,000円  2,764,000円  27.64%

 

上記により、課税総所得で600万円が法人税等とほぼ同じ税率になることがわかります。

課税総所得が600万円は、収入ベースではいくらになるのでしょう。

いろいろな控除額がいくらあるかによって違うのですが、仮に100万円とすると、約910万円です。

したがって、収入が役員報酬のみの場合、人によって違いますが、法人税等と所得税等の税負担が逆転するのは、収入金額が800万円から1,000万円の間となります。

つまり、上記の場合ですと、たとえば会社の利益が400万円出ることがあらかじめわかり、役員報酬を800万円から400万円上乗せして1200万円にした場合は、法人税等より所得税等のほうが上回る結果となり、節税対策にはならないということになります。

 

3.絶対的節税の具体的対策方法

ここでは、具体的な節税対策方法をご紹介します。

まず、絶対的節税と先のばし節税のおさらいです。

 

・絶対的節税…その年の法人税等を減らすことができ、かつ将来の法人税等の負担、さらに社長と家族の個人の所得税等の負担も増えない節税対策

・先のばし節税…その年の税金を減らすことはできるが、減らした税金の全部または一部を将来は払わなければならなくなる節税対策

 

節税対策として優先すべきは、もちろん絶対的節税です。

具体的な節税対策を見てみましょう。

 

3-1.小規模企業共済で法人・個人トータルで節税

小規模企業共済(しょうきぼきぎょうきょうさい)は、法人と個人のトータルでの節税対策です。

小規模企業共済は、独立行政法人中小企業基盤整備機構という国策法人が運営しています。

内容は、中小企業の役員等が退職後の資金を準備するための、積立式の共済です。

月額掛金の最高額は7万円(年84万円)です。

 

<支払時> 掛金が全額所得控除となります。よって役員報酬の所得税等が減ります。

<受取時> 退職時に受け取る場合、退職所得という取り扱いになり、金額によって税金をかからなくすることができます。またかかったとしても給与等に比べてはるかに安い税金で済みます。

 

これだけでは、個人の税金が減るだけですが、7万円の共済掛金を支払う原資として、会社から受け取る役員報酬を同額の7万円増やします。

結果として、個人の税金を増やすことなく、会社の税金を減らすことができます。

ただし、役員報酬は増額のタイミングに制限がありますのでそこだけ注意しましょう。

詳しくは「役員報酬を変更するための手順と注意点ポイント5つ」をご覧ください。

 

*小規模企業共済の節税額の例*

役員報酬年額600万円の社長が、月額7万円(年84万円)の共済に20年間加入し、20年後退職受け取りの場合

年間の所得税等の節税額 84万円×約22%×20年=約370万円
退職後の共済受取金額 84万円×20年=1,680万円
退職時にかかる所得税等 852,500円

よって約285万円の節税対策となります。(約370万円―852,500円)

 

3-2.社長または家族所有の不動産を会社に貸付で節税

社長または家族所有の不動産を会社が使っている場合は、賃貸料を会社から個人に支払うことで節税となります。

不動産を保有していると、保有によって生じる支出があります。

 

【不動産を保有することにより生じる支出】

・固定資産税

・損害保険料

・購入のための借入金利息

・建物の減価償却費

・修繕費用

 

会社から個人に賃貸料を支払うと、受け取った個人は「不動産所得」となり、経費にすることができます。

 

*不動産貸付による節税額の例*

社長所有の土地建物を会社に月額20万円(年240万)で貸し付けた。

経費は合計で240万円(内訳は、固定資産税年額10万円、借入金利息年額150万円、建物の減価償却費年額80万円)。

会社の節税額 240万円×22%=528,000円
社長に対する課税額 不動産収入240万円-経費合計240万円=所得ゼロ
新たな課税 なし

 

 

3-3.在庫の評価を見直すことで節税

在庫は、原則として「取得原価」で評価しますが、一定の場合は評価減が認められています。

なぜ在庫の評価減をすることで節税になるかというと、在庫の評価減は「棚卸資産評価損」という経費として計上することができるからです。

 

【在庫の評価減が認められている条件】

・災害による損傷

・季節商品で、今後通常の価額で売れないもの

・型式、性能、品質が著しく異なる新商品の発売により今後通常の価額で売れないもの

・破損、型崩れ、たなざらし、品質変化等により通常の方法で売れないもの 

 

節税というより、不要な法人税の支払いを避けるという意味があります。

 

3-4.不要な固定資産の廃棄・売却・除却で節税

決算書にのっている固定資産で、実はすでにないもの、あるけれどまったく使っていないものは、廃棄・売却・除却(じょきゃく)の処理をすることで利益を減らすことができます。

除却とは、固定資産の使用をやめて、倉庫などに置いておくことをいいます。

倉庫に置いておくだけなので、廃棄とも売却とも違います。

固定資産の廃棄は「固定資産廃棄損」、売却は「固定資産売却損」、除去は「固定資産除却損」として経費にするができます。

これも節税というより、不要な法人税の支払いを避けるという意味があります。

 

3-5.機械設備や人材への投資

所定の投資をすることで、投資額に一定割合を乗じた金額を法人税等から控除されるという、税制を利用した節税対策です。

政策的時限措置での法律なので、期限があります。

中小法人が使える代表的なものは以下の5つです。

 

3-5-1.機械等の取得

対象業種 ほぼすべての業種
対象資産

新品で、

機械装置1台160万円以上のもの

電子計算機等 ネット接続のデジタル複合機 1台 120万円以上のもの

ソフトウェア 70万円以上 など

控除税額 取得価額の7%(法人税額の20%が上限)
適用期限 平成29年3月31日まで(延長が予想されます)

 

3-5-2.経営改善設備の取得

対象業種 製造業、建設業以外の業種
対象資産

新品で、認定経営革新等支援機関から指導、助言を受けて取得したもので、

建物付属設備 1台60万円以上のもの

器具備品 1台30万円以上のもの

控除税額

取得価額の7%(法人税額の20%が上限)

取得した機械等が後述の「生産性向上設備」の場合は10%

適用期限 平成29年3月31日まで

 

3-5-3.生産性向上設備の取得

対象業種  すべての業種
対象資産 

最新モデルであることを工業会等で証明を受けたもので次のもの。

機械装置 1台160万円以上のもの

工具器具備品 

1台120万円以上または、30万円以上のものの合計が年間120万円以上

建物、建物付属設備、構築物

120万円以上または、60万円以上のものの合計が年間120万円以上

ソフトウェア 70万円以上または30万円以上のものの合計が年間70万円以上

 

控除税額 

取得価額の4%、建物、構築物は2%(法人税額の20%が上限)
適用期限  平成29年3月31日まで

3-5-4.人材投資

対象業種 すべての業種
適用要件

基準事業年度(平成25年4月1日以後に開始する事業年度のうち

最も古い事業年度開始の日の前日を含む事業年度)より今期の

人件費が増加し、従業員給与の一人当たり平均額が前期より3%

以上増えた場合

控除税額 給与支給増加額×10%(法人税額の20%が上限)

3-5-5.試験研究投資

対象業種 すべての業種
適用要件 試験研究の支出をすること
控除税額 支出した試験研究費の額×12%(法人税額の25%が上限)
適用期限 なし

※試験研究費については他に「試験研究費が増加した場合の税額控除」があります。

 

4.先のばし節税

先のばし節税は、先にも書いたとおり今年の税金は減るけれども将来のどこかの時点で減らした税金の全部または一部を払うことになる方法です。

先のばしにしたことで、残った資金を活用して業績を伸ばすことができるなら有効な手段ということができます。

具体的な節税方法を見てみましょう。

 

4-1.1年以内の費用の前払いによる節税対策

支払日から1年以内の費用について、一括支払することでその年度の費用にすることができます。

節税効果としては、費用計上額×22%分の資金が1年間使えるということになります。

 

【1年以内の費用前払いの節税対策の要件】

(1)契約に基づくものであること

月払い契約のものを一括で払っても費用にできません。

契約そのものが年払い、半年払い等である必要があります

 

(2)支払日から、1年以内のものであること

決算日からではなく、支払日から1年以内のものである必要があります。

 

(3)その経理方法を継続して行っていること

支払日に費用にするという経理方法を継続することをいいます。

 

(4)金額に重要性が低いこと

事業規模に対して、金額が過大過ぎるものは対象外です。

 

(5)収益と直接対応させる費用でないこと

売上原価(仕入、外注費)のように、売上に対応するものは対象外です。

 

(6)継続的サービスであり、そのサービスが等量、等質であり、かつ時の経過に応じて費用化されるもの 

具体的には、地代家賃、保険料、支払利息、リース料、レンタル料、会費、保証料、保守料、管理料のように月々の支払金額とサービス内容に変動がないものが対象です。

 

4-2.必要な費用支出の前倒しによる節税対策

近い将来必要な物品購入、修繕、広告宣伝、人材募集等を、決算期末までに前倒しで行うことで節税になります。

ただし、多量の物品購入(切手、印紙、事務用品等)をした場合、未使用分は費用にならないので注意が必要です。

節税効果としては、費用計上額×22%分で、その資金が1年間使えるということになります。

 

4-3.売上計上基準の見直しによる節税対策

売上計上基準を見直すことにより、税金支払いの先のばしをすることができます。

具体的には、現在の売上の計上日より、遅い日を採用することで、課税の先のばしをする方法です。

法人税法では、売上の計上基準は一つではありません。

次の方法が認められています。

 

売上の計上基準

販売の場合(卸売、小売、製造販売等) 請負の場合(建築、サービス等)

・出荷日

・検収日

・使用収益開始日

・検針日

・作業完了日

・搬入日

・検収完了日

・使用収益開始日

 

※使用収益開始日とは、相手方がそのものを使い始めた日ということです。

 

たとえば、現在の売上計上日が「出荷日」であった場合、それを「使用収益開始日」に変更することで、課税の先のばしをすることができます。

ただし、一度採用した方法は継続して適用することが必要です。

 

4-4.生命保険の活用による節税対策

生命保険を使った節税策の代表例を2つご紹介します。

 

4-4-1.掛け捨て保険の加入

掛け捨て保険は、保険料の全額を費用にできます。

したがって、保険料×22%の節税効果があります。

ということは、法人加入することで、個人加入するよりも22%安く保険を買えるということでもあります

また、社長が万が一の場合、会社を守ることもできます。

 

4-4-2.返戻金付き生命保険の加入 

生命保険には、支払保険料を全額費用にでき、かつ一定期間経過後に支払った保険料の60%から70%程度の返戻金があるタイプのものがあります。

 

<節税額の例>

月額保険料5万円の保険に加入、20年後に保険料の60%が戻ってくると仮定します。

20年間で支払う保険料総額 5万円×12月×20年=1,200万円
20年後の返戻額 5万円×12月×20年×60%=432万円
退職金に充てた場合の法人税等の節税額 5万円×12月×20年×22%=264万円
退職金に対する所得税等 ゼロ
  支払った保険料総額-返戻額-節税額=504万円

結果として、その保険を本来の金額の半額以下で買ったのと同じ効果となります。

 

4-5.倒産防止共済(経営セーフティ共済)

前述の「小規模企業共済」と同じように、独立行政法人中小企業基盤整備機構という国策法人が運営しています。

 

倒産防止共済の内容

・取引先の倒産等により売掛金が回収不能になった場合や、手形が不渡りになった場合に掛金積立額の10倍まで無利息で借り入れができます。

・解約の場合、40か月以上の加入期間があれば100%戻ってきます。

・月額掛金の最高額は20万円です。1年分の一括支払いも可能です。

 

<支払時>

法人税等の計算上、掛金は全額費用となります。

よって法人税等が減ります。

 

<解約金受取時>

解約金には法人税等が課税されます。

 

あくまで、解約時まで課税を先のばしにするということになりますが、1年分の支払いが可能なので、決算直前に行う節税対策としては、最も簡単に行うことが可能です。

 

4-6.投資による先のばし

設備投資に関する節税対策です。

いずれも費用計上額×22%分の資金が1年間使えるということになります。

 

4-6-1.30万円未満の少額減価償却資産の取得

1台30万円未満の少額減価償却資産は全額費用計上が認められています。

ただし、1年合計で300万円が限度となります。

 

4-6-2.機械等の取得

対象業種、対象資産、適用期限は前述(3-5-1)の税額控除と同じです。

通常の減価償却費とは別に、取得価額×30%の特別償却を行うことができます。

また、その機械等が「生産性向上設備」の場合は即時償却(100%償却)ができます。

 

4-6-3.経営改善設備の取得

対象業種、対象資産、適用期限は前述(3-5-2)の税額控除と同じです。

通常の減価償却費とは別に、取得価額×50%(建物、構築物は25%)の特別償却を行うことができます。

 

4-6-4.生産性向上設備の取得

対象業種、対象資産、適用期限は前述(3-5-3)の税額控除と同じです。

通常の減価償却費とは別に、取得価額×30%の特別償却を行うことができます。

 

4-6-5.その他の一般的な設備投資

減価償却費が費用となります。

節税効果としては、いずれも費用計上額×22%分で、その資金が1年間使えるということになります。

 

5.経営者と税理士との密接な関係が節税対策を制す

上記の4までで、節税対策の考え方や具体的なテクニック方法を見ていきました。

節税対策と一言にいっても、単に今期の決算だけ税金が減ればいい、という単純なものではないことがおわかりいただけたと思います。

節税対策を正しく行うためには、経営者と顧問税理士との密接な関係が欠かせません。

なぜなら、税理士は経営者の今後の経営戦略やライフスタイルなどを考慮した上で、最適な節税対策を提案する必要があるからです。

たとえば、来年には大きな投資をしたいから融資を考えている場合には、節税対策をやりすぎて赤字決算にするわけにはいきません。

また、家族構成が変わるから車を買い替えたい場合に、減価償却が来年まであるので今年買い換えるのはやめましょう、など税理士視点のアドバイスもあると思います。

単に、節税対策=税金を減らす、だけではない様々な効果を考えた提案ができるかどうかは、税理士の腕の見せどころでもあります。

あなたは顧問税理士と密接な関係を築けているでしょうか。

もし築けていないとしたら、非常にもったいないことをしているかもしれません。

ぜひ、この記事を読んで、税理士との関係を良いものにしてください。

 

 

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