福利厚生費として計上できる14の事例

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福利厚生費

あなたは今、福利厚生費についてお調べのことと思います。
福利厚生費とは、役員を含むすべての従業員に公平に支給される給与以外のお金のことです。
福利厚生費は、従業員の福祉向上のためのもので、法定福利費と厚生費で構成されています。

ここでは福利厚生費について、その具体的な事例をもとにお話しします。
ぜひ参考にしてください。

もくじ

1.福利厚生費の事例14
2.福利厚生費のポイントは、全社員が利用でき、常識の範囲内であること
3.慶弔見舞金
4.通勤費
5.健康診断費用
6.忘年会、新年会、歓送迎会など社内レクリエーション費用
7.社員旅行
8.社宅
9.保養所
10.食事代の補助(残業に伴う食事代など)
11.会社の常備薬
12.社内同好会への補助
13.制服を着用させるための制服費用
14.外部の福利厚生サービスの利用費
15.育児・介護関連
16.(参考)カフェテリアプラン

 

1.福利厚生費の事例14

福利厚生費として計上できる事例を以下にあげます。

福利厚生費の14の事例
  • 1. 慶弔見舞金(結婚・出産祝い金、病気見舞金、香典など)
    2. 通勤費
    3. 健康診断費用
    4. 忘年会、新年会、歓送迎会などレクリエーション費用
    5. 社員旅行
    6. 社宅
    7. 保養所
    8. 食事代の補助(残業に伴う食事代など)
    9. 会社の常備薬
    10. 社内同好会への補助
    11. 制服を着用させるための制服費用
    12. 外部の福利厚生サービスの利用費
    13. 育児・介護関連
    14. (参考)カフェテリアプラン

以下から詳しくお話します。

 

2.福利厚生費のポイントは、全社員が利用でき、常識の範囲内であること

福利厚生費を計上するときのポイントは、その制度を全社員が利用でき、常識の範囲内での支給である、ということです。

上記1であげたものでも、社員の一部のみを対象としたレクリエーション、社員旅行や、高額な海外旅行などは、参加社員に対する給与として取り扱われ、課税される場合があるので、注意が必要です。

 

3.慶弔見舞金

従業員や役員に対して、お祝いやお葬式などのときに、一定の基準に従って支給されるお金は、福利厚生費とされます。
具体的には以下のようなものです。

慶弔見舞金
  • 結婚祝、出産祝
  • 見舞金、香典などの慶弔金
  • お祝いの品、花輪の費用

上記の費用は、全額損金として税金を減らすことができます。

金額は、支給を受ける役員・従業員の地位などに照らして社会通念上、妥当と認められるものであれば、課税されません。

また、支出の相手が社外の者(取引先など)であれば、接待交際費となります。

4.通勤費

役員や従業員に支給する通勤費は、正社員・パート・アルバイトにかかわらず、福利厚生費として計上することができます。

受け取った金額は、一定限度額までは所得税が非課税となります。

通勤費の非課税については、「通勤費の非課税・課税のポイント5つと、注意したい落とし穴」をご覧ください。

なお、通勤費には「旅費交通費」という勘定科目があります。
旅費交通費は「役員や従業員が、業務を行うために会社以外の場所へ移動するのに要した費用」のことをいいます。

正しくは、自宅から会社までの交通費は「福利厚生費」、会社以外の取引先などへの移動費用は「旅費交通費」となります。

 

5.健康診断費用

役員や従業員を対象とした健康診断費用や人間ドックの費用ついては、福利厚生費で処理することができます。
ただし、要件があります。

健康診断費用の要件
  • 全役員・従業員を健康診断の対象者とすること
  • 健康診断を受けた全員分の費用を会社が負担すること
  • 健康管理上必要とされる程度の常識の範囲内の費用であること

費用については、会社が直接、診療機関に支払いをする必要があります。

会社がお金をいったん社員に渡して、社員が自分で診療機関に支払う場合は、福利厚生費には該当せず、給与として課税されることになるので注意が必要です。

あまりにも高額な検査は対象となりませんが、一般的な人間ドック費用であれば、福利厚生費として計上できます。

 

6.忘年会、新年会、歓送迎会など社内レクリエーション費用

忘年会、新年会、歓送迎会などのレクリエーションの費用は、福利厚生費として計上できます。
ただし、要件があります。

忘年会などのレクリエーション費の要件
  • 全社員を対象とすること(ただし、やむを得ない事情で参加できない場合を除く)
  • 会社の費用負担が一律であること
  • 会社が負担する金額が、社会通念上高額にならないこと

上記のような福利厚生費であっても、社員へ現金で支給すると、給与もしくは接待交際費とみなされ、課税対象となるので注意が必要です。

また、忘年会や新年会などは、二次会、三次会などある場合がありますが、二次会以降の支出は接待交際費とする方が良いでしょう。

ゴルフコンペは社内レクリエーションであっても、接待交際費とするのが良いとされています。

 

7.社員旅行

社員旅行は、ある一定要件をクリアしているものは福利厚生費として計上できます。
社員旅行として計上するには、以下の要件を満たす必要があります。

社員旅行の要件
  • 旅行の期間が4泊5日以内であること
  • 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること
  • 旅行の参加者が役員だけでないこと
  • 自己都合で旅行に行かなかった人に現金を支給しないこと
  • 取引先との接待旅行でないこと
(参考)国税庁HP タックスアンサー No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行
  • その旅行が次のいずれの要件も満たすものであるときは、原則として、その旅行の費用を旅行に参加した人の給与としなくてもよいことになっています。
    (1)旅行の期間が4泊5日以内であること。海外旅行の場合には、外国での滞在日数が4泊5日以内であること。
    (2)旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること。工場や支店ごとに行う旅行は、それぞれの職場ごとの人数の50%以上が参加することが必要です。

旅行期間が5泊6日以上のものについては、その旅行は、社会通念上一般に行われている旅行とは認められないことから、課税の対象です。

ただし、上記いずれの要件も満たしている旅行であっても、自己の都合で旅行に参加しなかった人に、金銭を支給する場合には、参加者と不参加者の全員にその不参加者に対して支給する金銭の額に相当する額の給与の支給があったものとされます。

なお、次のようなものについては、ここにいう従業員レクリエーション旅行には該当しないため、その旅行に係る費用は給与、交際費などとして適切に処理する必要があります。

社員旅行と認められないもの
  • 役員だけで行う旅行
  • 取引先に対する接待、供応、慰安等のための旅行
  • 実質的に私的旅行と認められる旅行
  • 金銭との選択が可能な旅行
 

8.社宅

社宅家賃の福利厚生費における計上は、従業員(使用人)と、役員とで取り扱いが違います。

・従業員(使用人)の場合

会社が使用人に提供する社宅については、賃貸料相当額の50%以上の金額を使用人から受け取った場合、会社負担額は福利厚生費となります。

しかし、使用人から受け取った家賃の額が、賃貸料相当額の50%未満である場合は、その受け取った家賃と賃貸料相当額との差額は給与となります。

(例)賃貸料相当額が1万円の社宅を使用人に貸与した場合

・使用人に無償で貸与する場合には、1万円が給与として課税されます。

・使用人から3千円の家賃を受け取る場合には、賃貸料相当額である1万円と3千円との差額の7千円が給与として課税されます。

・使用人から6千円の家賃を受け取る場合には、6千円は賃貸料相当額である1万円の50%以上ですので、賃貸料相当額である1万円と6千円との差額の4千円は給与として課税されず、福利厚生費となります。

詳しくは「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき」をご参照ください。

・役員の場合

役員に提供する社宅については、賃貸料相当額を役員から徴収した場合、 会社負担額が福利厚生費になります。

しかし、役員から徴収した家賃の額が、賃貸料相当額未満である場合には、その徴収した家賃と、賃貸料相当額との差額は給与となります。

賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積により、小規模な住宅とそれ以外の住宅とに分け計算します。
ただし、この社宅が、社会通念上一般に貸与されている社宅と認められない、いわゆる豪華な社宅である場合は、時価(実勢価額)が賃貸料相当額になります。

社宅(役員の場合)
  • 役員に無償で貸与する場合には、賃貸料相当額が、給与として課税されます
  • 役員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、賃貸料相当額と受け取っている家賃との差額が給与として課税されます
  • 現金で支給される住宅手当や、入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅とは認められません

詳しい計算方法は、「No.2600 役員に社宅などを貸したとき」をご覧ください。

(参考)社宅の注意点
  • 社宅家賃規定を作成すること
  • 賃貸借契約書を保存すること
  • 会社が住宅の契約をすること
  • 家賃の個人負担分は給与から天引きすること
 

9.保養所

保養所の購入や、リゾートクラブの会員権などは、要件を満たせば福利厚生費として計上することができます。

保養所の要件
  • 経済的利益が多額でないこと
  • 会社役員だけを対象としていないこと

保養所の運営費と、利用者の実際の負担金額との差が、多額である場合は、その差額が給与とみなされます。
また、実際の利用者が、役員のみであった場合にも給与とされます。

 

10.食事代の補助(残業に伴う食事代など)

役員や従業員に支給する食事は、次の二つの要件をどちらも満たしていれば、福利厚生費として計上できます。

食事代の補助の要件
  • 役員や従業員が、食事の金額の半分以上を負担していること。(残業や宿日直のぞく)
  • 次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること。食事の価額ー役員や従業員が負担している金額

上記の要件を満たしていなければ、食事の金額から役員や従業員の負担している金額を差し引いた金額が、給与として課税されます。

また、深夜勤務者については、夜食の支給ができないため、現金で1食当たり300円(税抜き)までは福利厚生費として計上できます。

なお、残業や宿日直を行うときに支給する食事は、無料で支給しても給与として課税しなくてもよいことになっています。

 

11.会社の常備薬

常備薬を会社で購入した場合は、福利厚生費として計上できます。

ただし、福利厚生費の基本である、全社員に公平であることが求められますから、風邪薬や頭痛薬、マスクなどは認められますが、一部の社員にしか該当しないような薬については認められません。

 

12.社内同好会への補助

社内の親睦等を目的として組織されている同好会やサークル活動に対して、会社から一定金額を支給する場合は、条件を満たしていれば福利厚生費とすることができます。

社内同好会・サークルの要件
  • 役員のみでなく、参加したい従業員であれば誰でも参加できる状態にあること
  • 参加しない人に対して、別途現金が支給されるようなことがないこと
  • 支給される額は、社会通念上妥当な額であること

経団連が発表している「2014年度福利厚生費等の項目別内訳(従業員1人1ヵ月当たり、全産業平均) 」によると、活動への補助は1,112円となっています。

つまり、ひと月の1人あたりの補助は千円程度が妥当と言えるでしょう。

 

13.制服を着用させるための制服費用

会社が制服を着用させるための制服費用は、条件を満たせば福利厚生費とすることができます。

制服費用の要件
  • 会社内での着用を想定し、通勤や社外で着用しないもの
  • 社名や会社のロゴマークが入っているもの
  • 制服として、あきらかに従業員であることがわかるようなもの

例えば、事務員が着用する事務服や、現場作業員が着用する特殊なものなどがそれにあたります。

自分の好みの服を支給してもらったり、いわゆるビジネススーツは現物給与とみなされ、課税の対象となります。

 

14.外部の福利厚生サービスの利用費

中小企業ですと、独自に福利厚生制度を導入するのが難しいため、外部の福利厚生サービスを利用することもあると思います。

この外部の福利厚生サービスの利用費は、福利厚生費として計上できます。

福利厚生費として計上するためには、役員など一部の人だけが加入するのではなく、従業員も含めた社員全員を加入対象とする必要があります。

 

15.育児・介護関連

昨今、福利厚生費として導入金額が大きくなっているのが、育児・介護関連費用です。

育児・介護関連費用は、福利厚生費として計上することができます。

育児費用とは、保育園料の補助や、ファミリーサポートを利用した時の補助などです。

介護費用とは、介護保険対象サービスを利用した時の補助などがあたります。

どちらも、全社員がいつでも利用できるよう、社内規定に記載しておくなど対処が必要です。

 

16.(参考)カフェテリアプラン

カフェテリアプランとは、会社側があらかじめ利用可能なサービスを設定し、従業員に一定額のポイントを支給することで、各自が自由にポイントの枠内でメニューを利用することができる選択型福利厚生制度です。

基本的にカフェテリアプランは、外部のサービスを活用する場合が多く、従業員が使いたいメニューを自由に選べるため、家族構成やライフサイクルにあったものと言えます。

ただ、カフェテリアプランを利用したポイントの付与は、給与として課税の対象となる可能性が非常に高く、福利厚生費として計上できません。
国税庁のタックスアンサーでは「サービス内容によって、課税・非課税かを判断」とあります。

(国税庁HPより)カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合
  • 従業員に付与されるポイントに係る経済的利益については、原則として従業員がそのポイントを利用してサービスを受けたときに、そのサービスの内容によって課税・非課税を判断することになります。

しかし、ポイントを使用するたびに課税・非課税を判断するのは現実的に難しく、基本的にはポイントの付与は給与として課税の対象となると考えた方が良いでしょう。

(国税庁HPより)カフェテリアプランによる旅行費用等の補助を受けた場合
  • リフレッシュメニューは、使用者が企画・立案したレクリエーション行事のように従業員等に対して一律にサービスが供与されるものではなく、ポイントを利用する従業員等に限り供与されるものであることから、個人の趣味・娯楽による旅行等の個人が負担すべき費用を補填するものと認められ、給与等として課税対象となります。

最後に

いかがでしたでしょうか。

福利厚生費として計上できるものはたくさんありますが、基本的に全社員が公平に利用できるものが福利厚生費ということになります。

一部の人しか利用できないなどの場合は福利厚生費とならず、給与となりますので注意が必要です。

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